【五臓と目】ドライアイ

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パソコンやスマートフォンを使うことが当たり前となった最近。

仕事でも趣味でも、ブルーライトとは無縁の生活を送ることが難しい世の中になりました。。

便利になった代償として、ドライアイに悩まされている人は多いのではないでしょうか?

 

 

 

ドライアイの症状とは?

 

目は粘膜でできています。本来であれば、適度な潤いがあるのですが、目を酷使することで水分が不足し、目がかすんだりしょぼしょぼしたりなどの症状が現れます。

こういった目の不調をドライアイといいます。

人間の生理的な動作として、目は一定の間隔で瞬きをするものです。

瞬きをすることで、涙腺が刺激されて目の潤いを保つことができるのですが、画面を凝視し熱中してしまうと、瞬きをすることを忘れてしまうのですよね。

その結果、眼球が乾いてドライアイになってしまう、というわけです。

 

目の水分不足ということで、眼科では点眼薬を処方されるでしょう。

ですが、点眼薬だけではなかなか症状が改善しない人も多いのが事実。

実は、ドライアイの根本的な原因は、パソコンやスマートフォンのせいだけだとは言い切れないのです。



 

東洋医学で考えるドライアイ

 

 東洋医学的な思想で考えると、目は五臓肝血によって養われています。

この肝が不調を起こしていると、それが目の不調として現れてくるのですが、ドライアイの場合の肝の不調は、大きく3つに分けることができます。



肝血の不足が原因のドライアイ

 

まず一つ目に、肝血の不足が原因の場合。

肝では血を蔵しているわけですが、この血が不足することでドライアイが生じます。

女性の場合、月経血が少なくなったり、顔色や唇の色が薄い、不眠や手足のしびれなどの症状がある場合、肝血虚のドライアイを疑います。

女性の場合、毎月の月経があるので、男性と比較しても血虚になりやすい傾向があります。

また、脾胃から十分な栄養が吸収できなかったり、大怪我などで大量の出血があった場合にも、血虚になります。

ドライアイと合わせて、かすみ目やまぶたの痙攣なども、症状として出ることがあります。



陰虚によるドライアイ

 

二つ目に、陰虚によるドライアイ。

体は、温めるエネルギーと冷やすエネルギーが上手な均衡を保って、適度な体温を調整しています。

陰虚とは、冷やすエネルギーが不足していることで、相対的に熱エネルギーの割合が多くなっている状態のことをいいます。

陰虚の症状として代表的なものは、のぼせやほてり、夜に手足がほてったり、寝汗が多く、寝つきが悪いなどの症状があります。

ストレスや辛いものなどの食べ過ぎが原因として考えられます。

 

 

肝火上亢が原因のドライアイ

 

三つ目は、肝火が上亢していることが原因のドライアイ。

肝火上亢とは、肝がオーバーヒートしてしまっているタイプです。

陰虚の場合は、冷やすエネルギーが不足することで相対的に生じている熱でしたが、肝火上亢タイプは、温めるエネルギーが過剰になって生じている熱です。

このタイプは、とにかくストレス過多が原因となっていることが多く、せっかちで頑張りすぎてしまう人に多く見られます。

この場合、ドライアイだけではなく目の充血も見られ、常にイライラしていたり、怒りっぽい、などの症状も現れます。




ドライアイに効く薬膳とは

 

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肝血不足にオススメの薬膳

 

血を補う作用のある食物を重点的に食べるとよいでしょう。

 

黒米、人参、ほうれん草、落花生、棗(なつめ)、ぶどう、黒きくらげ、牛豚鶏レバー、牛肉、豚肉、羊肉

 

黒い色をした食べ物が、基本的に血を補うと言われています。

なかでも特にオススメは、棗(なつめ)です。別名デーツともいいます。

中国では黄河の流域で古くから栽培され、今日でも身近な食べ物となっています。

対して日本ではあまりメジャーではありませんが、たまにドライフルーツとして見かけることがあるかもしれません。

棗は貧血によく、胃腸を丈夫にするといわれています。また、東洋では精神を安定させる効果もあるようです。

現代の研究でも、免疫細胞の働きを高める働きがあり、抗アレルギー作用も期待されています。




陰虚にオススメの薬膳

 

陰を補う作用のある食物を重点的に食べるとよいでしょう。

 

小松菜、アスパラガス、黒豆、松の実、黒きくらげ、貝類、いか、鶏卵、牛乳、豚肉、鴨肉

 

中でもオススメは、きくらげです。

中華料理で馴染みのある黒きくらげです。

黒きくらげは、広葉樹の枯れた気に生えます。(私もこれを書くまで知りませんでした笑)

日本ではあまり馴染みのない、きのこの一種で、食感がクラゲに似ていることから、『きくらげ』と名付けられたそうです。

生のきくらげには毒性があり、干すことで除かれます。生のきくらげは、絶対に食べないように!

 

黒きくらげは、肝に関わる血の不調や、陰虚に適しています。現代の研究でも、抗菌作用や抗がん作用、動脈硬化の予防などに効果が期待されています。

 

 

肝火上亢にオススメの薬膳

 

肝火を沈める作用のある食物を重点的に食べるとよいでしょう。

 

白菜、セロリ、とまと、胡瓜、苦瓜、豆腐、かに、緑豆、粟、茶葉、ジュンサイしじみ

 

白菜もおすすめですが、ここでは美容でも注目されているトマトをご紹介します。

とまとは日本でも非常に馴染みのある野菜です。

夏野菜は全般的に火照った体を冷ますはたらきがあり、トマトもまた微寒に属する野菜です。

消化を促進して肝の解毒を助けるので、夏バテにはもってこいの野菜です。

また、肝火が上亢している人にもおすすめです。

現代でも高コレステロール動脈硬化の予防としてや、抗酸化作用を期待して美容目的として摂取している女性も多いようです。このリコピンは、胃がんの原因となるピロリ菌の増殖抑制作用もあり、抗がん作用も期待されています。



まとめ

 

薬膳は薬と異なり、その効果は非常に緩やかではありますが、私たちの体を作るものは食べ物。

日々の小さな気遣いが、自分の体を労わることにも繋がります。

ドライアイに悩んでいる方、ぜひ上記の食材を気にかけて摂取してみてください。

 

 

 

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