【五臓と舌】舌の診方のポイント
お顔のパーツの中でも、特に体の調子を如実に表している部分があります。
それが、舌です。
他のどのパーツをみるよりも、舌はわかりやすい。
東洋医学では、症状を診る際に、さまざまな診断方法を使用します。
その中でも、『舌診』といって、舌の状態を見る診察法は、中でも特に重要視されている診断方法です。
口は、胃腸の入り口です。
消化器官は、口から全て一続きになっている管。
体の内部で起こっている不調も、同じく口に起こってくる。
ようするに、体の内部の情報を舌から伺い知ることができるのです。
舌からわかる、健康状態
では、舌から何を知ることができるのでしょう?
それが、意外や意外。かなりの情報を知ることができます。
血液の質やその循環の善し悪し、また体内の水分量や体力、内臓の状態など。
また、単純に舌の大きさは、体の大きさや充実度に比例します。
舌が大きくて厚い人は、体も充実しており、体力もある。
逆に小さくて薄い人は、痩せ型で、虚弱体質傾向にあります。
口の大きさも、食欲に比例するといいますよね。
舌を診るポイント
正常な舌とは
舌シリーズの初回は、舌を診るポイントについて、ご紹介していきましょう。
まず、比較対象となる、健康な状態の舌はどのようなものでしょうか。
正常な舌は淡い紅色で、表面全体に薄い白い苔が付いている状態。
舌の苔は口臭の原因だと言われていますが、薄い白い苔はむしろ正常な状態です。
苔が薄い厚いの感覚は、はじめはイメージが付きにくいと思いますが、割とわかりやすく違うので理解できると思います。
さて、これを頭に入れて、舌を診ていくポイントをご紹介していきます。
舌の形
まず、舌の形です。
舌の輪郭は、すっきり綺麗な形がみえているでしょうか?
異常な状態として、舌に歯の跡がついてぼこぼこしていたり、亀裂がはいっていたりすることがあります。
この舌の形の異常は、体の水分状態を反映しています。
舌の動き
それから、舌の動き方です。
健康な舌は、『あっかんべー』が問題なくできます。
舌が左右どちらかに曲がっていたり、舌が震えていたりしませんか?
その場合は、体の異常のサインのひとつであります。
舌の色
舌の色はどうでしょうか?
健康な舌は、薄い紅色をしています。
赤過ぎたり、白っぽかったり、紫色をしていたりしませんか?
舌の色では、血の状態や流れなどを伺うことができます。
舌の苔
あと、大事なポイントとして、舌の苔。
苔の色と厚さは、非常に重要なキーワードのひとつです。
舌の苔は、胃腸の調子や体が冷えているのか、熱があるのか、といったことを教えてくれます。
舌は体調管理のキーワード
歯はしっかり磨いていても、あまり舌をよく観察することなど、なかったのではないでしょうか?
私も鍼灸を学ぶまでは、そこまで舌を意識したことはありませんでした。
ですが、歯磨きのついでに毎日診るようになると、わかってくるものです。
自分の健康な時の舌、風邪を引いた時の舌、生理前の舌、食べ過ぎた時の舌…。
舌の診方がわかってくると、自分の健康管理の参考にもなります。
次回から、その舌の状態が表す体のサインについて、お話ししていきます。
ぜひご自身の舌と比較しながら、読んでみてください。